———————私の篆刻————————————————————————————————————
篆刻は「てんこく」と読みます。ようするに「はんこ」を彫ることです。掛け軸や書に捺してある印を遊印あるいは雅印などと呼び、中国産の蝋石に印を彫ります。私の篆刻歴は三十数年に及び、自分の描いた絵や書に印を捺すために必要に迫られて自作するようになりました。それから篆刻にはまり、自分の印、他人の印をいくつも彫ってきました。篆刻につては独学ですが、何冊もの本を買い、読み、技術を習得し、文字の起源や文字の種類を勉強してきました。篆刻に適する石は何種類もあり、値が高いものでは鶏血石(けいけつせき)や田黄(でんおう)など金の重さと同じくらい高いものもあります。一般的には寿山石や凍緑石、青田石など百~数百円の石が使われますが、あまり安い石は硬かったり、ぼろぼろ崩れたりして彫りにくいものがあります。したがって私は数千円の質の高い石を使うようにしています。趣味としての篆刻は始めるのには比較的容易です。割と高尚な趣味でしかも道具にお金がかからないので、興味のある方には是非お勧めです。しかし、歳をとると次第に目が悪くなり小さな印や細い線を彫るのが大変になってきますので始めるのはどうぞお早めに。
篆刻の道具と作品