音丸耕堂(おとまる こうどう)

漆芸家、人間国宝(重要無形文化財保持者)
明治31(1898)年、6月15日、香川県高松市に生まれる。本名芳雄。
小学校を卒業後、13歳で讃岐彫りを専門とする石井磬堂に弟子入りし、4年間讃岐彫りを学ぶ。
16歳で独立自営しつつ、独学で彫漆を学び、20歳のときに香川漆器の玉楮象谷(たまかじしょうこく)の作風にひかれて私淑した。
昭和7(1932)年第13回帝展に「彫漆双蟹手箱」で初入選。以後官展を中心に出品。
昭和12年     上京
昭和17年     第5回文展に「彫漆月の花手箱」を出品して特選受賞。
昭和24年     第5回日展に「彫漆小屏風」を出品し特選を受賞。香川県の工芸家たちと香風会を設立。
昭和30年     重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定。日本工芸会の創立に参加。
昭和48年     第20回日本伝統工芸展に「彫漆菊水指」を出品して20周年記念特別賞を受賞。
昭和51年     東京・板橋常盤台の日本書道美術館で20余点の作品を展示する展覧会を開催。
昭和52年     色彩の断層面を表に出した平行しま模様を用いた作品を多く制作し、伝統的工芸技術による斬新な作風を打ちだした。
昭和57年     後進の育成に寄与すべく「公益信託音丸漆芸研究奨励基金」を設立。
昭和63年     東京池袋の西武アートフォーラムで「音丸耕堂鳩寿記念回顧展」開催。
没年月日:1997-09-08